固定費ラボでは、電気・ガス、通信費、サブスク、保険という4つの分野を扱ってきました。
第4章の冒頭でも触れているとおり、これらは「比較的仕組みが分かりやすい」固定費です。
一方で、多くの人にとって家計の中でもっとも大きな割合を占める固定費でありながら、このサイトのメインテーマには含めていないものがあります。
それが「家賃・住居費」です。
1. なぜ家賃をメインテーマに含めていないのか
電気・ガス、通信費、サブスク、保険の見直しは、契約先を変える・プランを変えるという比較的小さな決断で完結します。
一方、家賃を大きく下げようとすると、基本的には「引っ越す」という選択肢しかなく、初期費用や手間、生活環境の変化まで含めた大きな決断が必要になります。

このサイトの読者像は「大きな決断(引っ越し等)はしたくないが、固定費だけは見直したい」という方を想定しているため、あえてメインの4章には含めず、こうした個別記事として切り出す形にしています。
2. それでも家賃は「動かせる」固定費の一つ
「引っ越さなければ何もできない」わけではありません。
家賃を見直すタイミングとして、多くの人にとって身近なのが、賃貸契約の「更新」のタイミングです。

3. 更新料とは何か、いくらかかるのか
更新料とは、賃貸借契約を更新する際に貸主へ支払う費用のことです。
地域や物件によって扱いが異なり、家賃1ヶ月分程度が相場とされる地域が多い一方、更新料の設定がない物件・地域もあります。
- 更新料の有無、金額(家賃の何ヶ月分か)
- 更新のタイミング(2年ごとが一般的)
- 更新事務手数料など、更新料以外にかかる費用の有無
契約時に交わした賃貸借契約書に更新条件が明記されているため、更新のタイミングが近づいたら、まず契約書を確認しておくとよいでしょう。
4. 引っ越しで下げられる金額と、引っ越し自体にかかる費用を天秤にかける
電気・ガスの解約金の考え方でも紹介したとおり、「見直しで浮く金額」と「見直しにかかる費用」を比較する考え方は、家賃の見直しにも応用できます。
引っ越しには、敷金・礼金・仲介手数料・引っ越し業者費用などで家賃の4〜5ヶ月分程度の初期費用がかかることが一般的です。
家賃が月1万円安い物件に引っ越す場合、年間の節約額は12万円になりますが、初期費用に家賃5ヶ月分(仮に家賃8万円なら40万円程度)かかるとすると、その分を回収するまでには3年以上かかる計算になります。
どれくらいの期間その部屋に住み続ける予定かによって、引っ越しが「得」になるかどうかは大きく変わります。
数年以内に転勤・転居の予定がある場合は、初期費用を回収しきれない可能性も踏まえて判断する必要があります。
5. 更新のタイミングで交渉の余地はあるか
更新料や家賃そのものについて、貸主・管理会社に相談できる場合もあります。
近隣の似た条件の物件相場や、長期間家賃を滞納なく支払ってきた実績などを伝えたうえで相談すること自体は可能ですが、必ず交渉に応じてもらえるとは限らない点は理解しておく必要があります。
交渉がうまくいかなかった場合に備えて、「更新する」「引っ越す」のどちらも選べるよう、更新期限の余裕を持ったタイミングで検討を始めておくと、選択肢を狭めずに済みます。
6. 大きな決断だからこそ、他の固定費を先に見直しておく
家賃の見直しは大きな決断が伴う分、判断を急ぐ必要はありません。
むしろ、電気・ガスや通信費、サブスクといった、比較的小さな決断で済む固定費を先に見直しておくことで、家計に一定の余裕が生まれ、家賃について焦らず判断できるようになります。
なお、持ち家で住宅ローンを返済している場合は、引っ越しとは別に、ローンの借り換えという選択肢もあります。
こちらについても、固定費見直し全体の中での位置づけを含めて、別の記事で扱う予定です。
家賃・住居費は、固定費の中でも特に大きな金額を占める一方、見直しには大きな決断が伴います。
更新のタイミングという小さな区切りを活用しながら、他の固定費の見直しで生まれた余裕をもとに、焦らず検討していくとよいでしょう。
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