第4章では、生命保険・医療保険を中心に、保険の見直しの考え方を整理してきました。
保険の見直し、何から考え始めればいいかの記事で加入している保険を一覧にする際、その種類として「生命保険・医療保険・火災保険・自動車保険など」を挙げていました。
このうち生命保険・医療保険については、「加入目的」「入りすぎ・入らなすぎ」「掛け捨てと貯蓄型」といった視点から、これまでの記事で詳しく見てきました。
一方で、火災保険・自動車保険は一覧に名前が挙がっただけで、詳しくは触れていませんでした。
この記事では、この2つの保険について、生命保険とは少し違う視点から見直し方を整理します。
1. 「保険の見直し」と聞いて、思い浮かべるのは生命保険だけになっていないか
家計の保険料を一覧にしてみたとき、生命保険と医療保険だけを書き出して「見直しが済んだ」つもりになっている、というケースは少なくありません。
「万が一のとき家族の生活を支える」「入院・手術に備える」という目的が分かりやすいぶん、見直しの話題としても取り上げられやすい保険です。
しかし、実際に毎月・毎年の支出として家計にのしかかっているのは、生命保険・医療保険だけとは限りません。
賃貸暮らしであればほぼ全員が加入している火災保険、車を持っていれば加入している自動車保険(任意保険)も、同じ「保険」というジャンルの立派な固定費です。
次の項目からは、この2つの保険を、これまでとは違う視点で見直していきます。

2. 賃貸住まいならほぼ全員が入っている「火災保険」を見直す視点
不動産会社に勧められるままの契約になっていないか
賃貸物件を借りる際、多くの場合は不動産会社(仲介会社・管理会社)から指定された火災保険への加入を求められます。
この火災保険は法律で加入が義務付けられているわけではありませんが、賃貸借契約の条件として事実上必須とされているケースがほとんどです。
契約時は引っ越し準備に追われ、提示された保険にそのまま加入することが多いのですが、実は契約者自身で別の火災保険会社を選べる場合もあります。
ただし、管理会社によっては指定の保険への加入が契約条件になっていることもあるため、保険料や補償内容を比較する前に、まずは契約書・重要事項説明書で「指定」なのか「任意」なのかを確認することが出発点になります。
補償内容(家財の補償・借家人賠償責任保険)を確認する視点
賃貸向けの火災保険は、多くの場合「家財の補償」と「借家人賠償責任保険」がセットになっています。
家財の補償は、火災や水漏れなどで家具・家電が損害を受けた際の補償です。
借家人賠償責任保険は、借りている部屋を汚損・破損させてしまった場合に大家さんへの損害賠償に備える補償で、賃貸暮らしでは実質的に必須級の補償とされています。

3. 車を持っているなら「自動車保険(任意保険)」も固定費の大きな一部
自賠責保険と任意保険は別物
車を運転する場合、法律で加入が義務付けられている「自賠責保険」と、契約するかどうかを選べる「任意保険」の2つがあります。
自賠責保険は対人賠償のみを最低限カバーするもので、対物賠償や自分自身のケガ、車両の修理費用などはカバーされません。
日常的に走る車のほとんどは、この不足分を補うために任意保険にも加入しています。
保険料は等級・年齢条件・使用目的で変わる
免許を取り立ての時期に契約した内容のまま、条件を見直さずに更新し続けているケースも珍しくありません。
任意保険の保険料は、事故歴に応じて上下する「等級」、運転者の年齢を絞ることで安くなる「年齢条件」、通勤・通学に使うかレジャー中心かといった「使用目的」など、複数の条件の組み合わせで決まります。
等級は無事故を重ねるほど保険料が下がっていく仕組みのため、契約から数年経っている場合は、当時と同じ保険会社・条件のままで良いか、一度他の見積もりと比較してみる価値があります。
年齢条件や使用目的も、生活スタイルが変わっていれば見直しの余地があります。

4. 生命保険・医療保険と、火災・自動車保険は「見直しの考え方」が違う
生命保険・医療保険の見直しは、これまでの記事で見てきたように「加入目的が今の生活状況に合っているか」「保障内容が過不足ないか」という、保障そのものの中身を問い直す作業が中心でした。
一方、火災保険・自動車保険の見直しは、多くの場合「同じような補償内容を、より条件の良い契約に切り替えられないか」を比較検討する作業が中心になります。
保障の目的自体が大きく変わることは少なく、電気・ガスや通信費の見直しに近い、比較型の視点が役立つ保険と言えます。
- 生命保険・医療保険:保障の中身(加入目的・過不足)を問い直す視点
- 火災保険・自動車保険:同じ補償を、より条件の良い契約に切り替えられないか比較する視点
このように、一口に「保険を見直す」といっても、種類によって見直しの発想そのものが異なります。
今どの保険について考えているのかを意識するだけでも、見直しの進め方がイメージしやすくなるはずです。
なお、ここまでの火災保険の話は賃貸暮らしを前提にしていますが、持ち家の場合は契約年数が長く、地震保険の要否など別の論点になります。
5. まとめ:保険を「一括り」にせず、種類ごとに見直しの視点を変える
生命保険・医療保険は「保障内容が今の暮らしに合っているか」を、火災保険・自動車保険は「同じ補償を、より良い条件で契約できないか」を、それぞれ問い直す視点で見直してみましょう。
保険を一括りにせず、種類ごとに視点を切り替えることが、見直しを進めやすくする第一歩です。


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