固定費ラボの電気・ガスの章では、電力会社の料金プランの比較や、解約金・違約金の注意点など、主に「乗り換え」を軸にした見直し方を紹介してきました。
ただ、在宅勤務が増えたことで「乗り換え」とは別の理由で電気代が上がった、という声も聞かれるようになっています。
この記事では、在宅勤務による電気代の増加に、どう向き合えばいいかを整理します。
1. 在宅勤務が増えると、なぜ電気代も増えるのか
出社が中心だった頃は、日中の自宅の電気使用量は比較的少なく済んでいました。
在宅勤務が増えると、エアコン・照明・パソコンなどが日中も稼働する時間が長くなり、これまで発生しなかった時間帯の使用量が積み上がっていきます。

特に夏や冬は空調の稼働時間が長くなりやすく、季節によって増加額の体感が変わることもあります。
増加額のおおまかな規模感は、「消費電力(W)×使用時間×在宅日数÷1000×電力量単価(円/kWh)」という式で試算してみるとつかみやすくなります。
ノートパソコン(30〜50W程度)、照明(20〜40W程度)、エアコン(500〜800W程度、季節や設定温度により変動)を、在宅勤務の日に1日8時間使うと仮定すると、合計の消費電力はおよそ550〜900W程度になります。
2. 会社の「在宅勤務手当」はどんな位置づけか
企業によっては、在宅勤務にかかる光熱費やネット回線費用の一部を補う目的で、在宅勤務手当(テレワーク手当)を導入しているところがあります。
手当がない、または実際の増加額に見合わない場合は、次に紹介する使用量の把握から始めるとよいでしょう。
3. 日中の使用量を把握する視点
検針票・電力会社のマイページで時間帯別の使用量を確認する
契約している電力会社によっては、マイページやアプリで時間帯別・日別の使用量を確認できる場合があります。

スマートメーターが導入されている場合は特に、細かい時間帯の使用量データを見られることが多くなっています。
在宅勤務日と出社日を比べてみる
時間帯別のデータが確認できない場合でも、在宅勤務が多かった週と出社が多かった週の検針結果を比べてみるだけで、増加のおおまかな傾向はつかめます。
「在宅勤務による増加」を漠然と感じるだけでなく、具体的な数字で把握しておくと、この後の対策を考えやすくなります。
4. 契約アンペアの見直しは在宅勤務にも関係する
契約アンペアと基本料金の関係は、主に「使わないアンペア分の基本料金を減らす」節約の文脈で紹介してきました。
契約アンペアという仕組みがあるのは東京電力・中部電力・東北電力などのエリアで、関西電力・中国電力・四国電力・沖縄電力の各エリアは最低料金制のため、アンペア変更という考え方自体がありません。

在宅勤務では、エアコン・電子レンジ・パソコンの充電など複数の家電を同時に使う機会が増え、契約アンペアが足りずブレーカーが落ちやすくなるケースもあります。
この場合はアンペアを「下げる」のではなく、「上げる」ことも検討したほうが、かえって快適に過ごせることがあります。
基本料金は契約アンペアが上がるほど高くなりますが、頻繁にブレーカーが落ちる不便さと天秤にかけて考えるとよいでしょう。
5. 在宅勤務の電気代、見直しだけでは解決しない部分
新電力会社の比較記事で紹介したような料金プランの見直しは、単価そのものを下げる効果がありますが、使用量の増加自体を止めるものではありません。
料金プランの見直しと、使用量そのものの調整(空調の温度設定、こまめな照明のオンオフなど)を組み合わせてはじめて、在宅勤務による電気代の増加に無理なく対応できます。
どちらか一方だけでは、増加分をカバーしきれないこともある、という前提で考えておくと安心です。
6. まとめ:在宅勤務の電気代は「手当・使用量・契約」の3方向から向き合う
在宅勤務による電気代の増加は、まず会社の在宅勤務手当の有無を確認し、次に日中の使用量を具体的に把握したうえで、契約アンペアや料金プランの見直しを組み合わせて考えるのが現実的です。
「乗り換えれば解決する」わけではないことを前提に、使用量の把握から始めてみましょう。
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