【第1章まとめ】電気・ガスの見直しチェックリストでは、電力会社の乗り換えやプラン比較によって、固定費を減らせる可能性を整理しました。
「生活インフラの固定費」というくくりで、電気・ガスと一緒に名前が挙がりやすいのが水道代です。
ただ、水道代は電気・ガスとまったく同じ感覚で見直せるわけではありません。
この記事では、水道代が電気・ガスと何が違うのか、それでも家庭でできることは何かを整理します。
1. 電気・ガスと違い、水道は「会社を選べない」
電気・ガスは、電力自由化・ガス自由化によって、複数の会社から契約先を選べるようになりました。
一方、水道は多くの地域で、お住まいの市区町村(水道事業者)が運営する「地域独占」の仕組みが続いています。

一部の自治体では料金徴収などの業務を民間企業に委託していますが、これは運営の効率化が目的であり、利用者が料金プランを比較して選べる仕組みではありません。
2. それでも水道代に地域差・世帯差が出る理由
a. 自治体ごとに料金体系が違う
水道料金は全国一律ではなく、自治体ごとに基本料金・従量料金の単価が個別に設定されています。
水源の確保方法(ダム・地下水など)や、水道管の老朽化対応にかかる費用によって、同じ使用量でも自治体間で金額に差が出ることがあります。
引っ越しをすると水道代の感覚が変わったと感じるのは、多くの場合この地域差が理由です。
たとえば、口径13mm(一般的な戸建て・アパートで多いサイズ)で月20㎥使用した場合の水道代を自治体ごとに比べると、同じ使用量でも1.5倍前後の差になることがあります。
| 自治体 | 口径13mm・月20㎥使用時の目安 |
|---|---|
| 東京都(23区) | 月2,900円前後 |
| 大阪市 | 月2,600円前後 |
| 札幌市 | 月4,000円前後 |
上記はいずれも2026年時点で一般的に紹介される目安であり、下水道料金や口径以外の条件は含んでいません。
水道料金は改定されることがあるため、正確な金額はお住まいの自治体の水道局(上下水道局)公式サイトで確認してください。
b. 使用量が増えるほど単価が上がる料金体系
多くの自治体では、水道料金に使用量が多くなるほど1立方メートルあたりの単価が段階的に上がる「逓増(ていぞう)料金制」を採用しています。
これは、生活に最低限必要な水を安く抑えつつ、大量に使う分は割高にすることで、節水を促す仕組みです。
口径13mmの一般的な料金体系をイメージで示すと、次のように使用量の段階が上がるほど単価も上がっていきます。
| 使用量の段階 | 1㎥あたりの単価目安 |
|---|---|
| 〜5㎥ | 基本料金に含まれることが多い |
| 5㎥超〜10㎥ | 100円台/㎥ |
| 10㎥超〜20㎥ | 150円台/㎥ |
| 20㎥超 | 200円台/㎥ |
同棲や同居で世帯人数が増えると、この段階が一段上がり、想像より使用量あたりの単価が上がっていることもあります。
世帯人数別に、月間の使用量と水道代の目安をまとめると、次のようになります。
| 世帯人数 | 月間使用量の目安 | 水道代の目安 |
|---|---|---|
| 1人暮らし | 8㎥前後 | 月2,000〜2,500円 |
| 2人世帯 | 16㎥前後 | 月3,000〜3,500円 |
| 4人家族 | 24㎥前後 | 月5,000〜6,000円 |
1人暮らしから2人・4人と世帯人数が増えるほど、使用量の段階が上がって単価そのものも上がっていくため、水道代は人数の比率以上に増えていく傾向があります。
3. 家庭でできる、数少ない「見直しポイント」
a. 器具・使い方を変える
プラン自体は選べなくても、使用量を減らす工夫はできます。
代表的なのが、節水シャワーヘッドへの交換です。
水圧を保ちながら吐水量を抑えるタイプが多く、賃貸でも取り付けやすい製品が増えています。
節水シャワーヘッドは、一般的に吐水量を30〜50%程度抑えられるとされています。
家庭の水道使用量のうちお風呂(シャワー含む)が占める割合はおおむね2〜3割程度といわれており、月の水道代が4,000円の2人世帯を例に試算すると、シャワー分の使用量を4割減らせた場合、水道代全体ではおおよそ月300〜400円、年間では4,000円前後の削減になる計算です。
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ほかにも、トイレの大小レバーを使い分ける方法があります。
大洗浄と小洗浄の水量差はおおむね2〜3割程度とされ、日常的に使い分けるだけで月数百円程度の差につながることがあります。
洗濯のすすぎを「ため水」に切り替える、お風呂の残り湯を洗濯や掃除に使うといった方法も有効です。
洗濯1回あたりに使う水はおおよそ100〜200L程度とされ、残り湯で洗いやすすぎの一部を賄えれば、その分だけ水道代を抑えられます。
ここで挙げた削減額は、あくまで一般的な使用割合をもとにしたモデルケースです。
実際の効果は世帯の使い方によって変わるため、まずは検針票で現在の使用量を確認したうえで、無理のない範囲から取り入れてみましょう。
b. 減免制度を確認する
多くの自治体が、生活保護世帯・多子世帯・ひとり親世帯・障害者手帳を持つ世帯などを対象に、水道料金(主に基本料金部分)の減免制度を設けています。
対象条件や減免額は自治体によって異なるため、当てはまりそうな場合は「お住まいの自治体名 水道 減免」で検索し、水道局・上下水道局の窓口に確認してみましょう。
申請しないと適用されない制度がほとんどなので、条件に当てはまるかもしれない人は、一度確認しておくと安心です。
4. 検針票の見方を知っておく
水道の検針票(使用水量のお知らせ)には、いくつか見慣れない項目が並んでいます。

基本料金は、蛇口につながる水道メーターの「口径(太さ)」によって決まります。
口径が太いほど基本料金は高くなる傾向があるため、ファミリー向けの物件から一人暮らし用の物件に引っ越した際、口径が変わって基本料金が下がることもあります。
従量料金は、実際に使った水の量(立方メートル)に応じて計算されます。
また、多くの地域では上水道の使用量をもとに下水道使用料が計算され、水道代とあわせて一つの請求として届きます。
「思ったより高い」と感じたときは、検針票の内訳のうち、基本料金と従量料金・下水道使用料のどこが上がっているのかを確認すると、原因を把握しやすくなります。
まとめ:水道は「攻めの節約」より「守りの節約」
電気・ガス・通信費のように「乗り換えて安くする」という発想は、水道代には基本的に当てはまりません。
その代わり、節水器具の導入・使い方の工夫・自治体の減免制度の確認という「守りの節約」であれば、今日からでも始められます。
電気・ガスの見直しと合わせて、家計全体でどれくらいの差が出るかは、固定費トータル年間シミュレーションでも試算しています。


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